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PART 1. 土地活用:賃貸住宅経営

、収益を生む建築デザインと収益を圧迫するデザイン

賃貸住宅経営で収益性を良くするためには、入居者ニーズに応えることと質の向上が大きなポイントになります。インフレの時代には、入居者ニーズに応えるためのコストアップは、所得の増加にともなう家賃の値上がりですぐに解消されました。
しかしながらデフレ時代の今日では、所得の減少から家賃の値上がりは、期待できない経済環境です。入居者ニーズに応える過剰なコストアップは、賃貸経営を圧迫します。コストアップにつながらない工夫が必要です。その工夫には、いくつかの方法があります。今回はその方法の一つを解説します。

■コストと家賃は正比例しない。
■コストアップにつながらない工夫
■必然性のある建築デザイン

■コストと家賃は正比例しない。

入居者ニーズは、広さを欲しがります。設備、仕様もより豊かなものを欲しがります。便利な機能もほしがります。デザインにもこだわります。年々、建材や設備などのメーカーは、新しいものを開発して新商品が続々と誕生しています。建築設計においてもデザインの良いものが評価されています。
建物・設備・デザインなどの付加価値も家賃に反映されますが、付加価値を高めるためにはコストもかかります。新しくて便利なもの、デザインの良いものを何でも取り入れて、そのコストすべてが家賃に反映されるでしょうか。質の良いものは市場競争力が強くなりますが、家賃とコストは、必ずしも正比例しません。
家賃レベルは、ほとんど立地で決まります。立地に応じたコストが絶対条件です。それぞれの立地で限られた投資額の中での質の向上をどう工夫するかです。

■コストアップにつながらない工夫

デフレ時代における賃貸住宅経営のイニシャルコストつまり投資額は、最小限に抑えなければなりません。だからと言って質の悪い建物では、入居者からの評価は得られません。賃貸市場競争にも勝てません。コストアップにつながらない工夫が必要です。限られた投資額の範囲でいかに質を上げてゆくか建築企画の手法は、いろいろありますが、今回は、建築デザインにおける工夫について説明します。

立地の良い所には、デザイン性の高い建築が多く見られます。家賃相場の高い所では、コストをかけられます。むしろ立地の良いところは、コストをかけて付加価値が発揮されます。家賃相場の低い立地で同じようにコストをかけると採算が圧迫されます。建築デザインも、凝れば凝るほどコストアップにつながります。
家賃相場の低いところでは、コストをかけない建築デザインの工夫が必要です。コストをかけない工夫として、一例ですが、たとえば、造形ではシンプル、テイストはモダン、色彩の使い方、設備・仕様の選び方などで過剰なコストを省いたデザインを工夫できます。
業者の選び方でもコストをかけない工夫ができます。設計事務所を使うとデザイン性は高まりますが、設計料もかかりますし、建築費もコストアップにつながります。建設会社の設計施工では、デザイン性で満足できないところが多い現状ですが、建設会社の中にも設計センスを持ったところもあります。家賃相場の低い立地では、設計センスの良い建設会社の設計施工という方法も一つの工夫です。


■必然性のある建築デザイン

建築デザインは、建築の法規制などマイナスになるハンディをプラスにすることもできます。収益性を高めるデザイン事例をひとつ紹介します。
この建築計画では日影規制により北側をひな壇にしなければならない状況でした。収益性を確保するためには賃貸面積を少しでも多く確保するかが重要です。そのためにひな壇にするところをアールの大屋根にしました。
その結果、日影規制をクリアーし、かつ段々になるところの外部部分が、内部面積に取り込められ賃貸面積を増やすことができました。アールの大屋根はデザインのためわざわざしたのではなく、必然的にかつ収益アップのためにしたわけです。

このように建築デザインでは、いろいろ工夫ができます。賃貸経営に必然性のある収益を生むデザインと無意味なコストアップにつながるデザインとを見極めて下さい。

#012 2004.06.01
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Part 1. 賃貸住宅経営
Part 2. 賃貸市場動向
Part 3. 賃貸経営改善

 
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