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PART 2. 賃貸市場動向

、賃貸住宅の市場ニーズ

経済環境やライフスタイルの変化とともに賃貸市場も変化、賃貸経営に求められるものは何かを今回は探ります。

■コンセプトと業態について
■ライフスタイルの変化
■マンスリーマンション、デザイナーズマンション
  サービスアパートメント、etc
■賃貸住宅市場の展望

■コンセプトと業態について

戦後、急速な高度成長と都市化にともない住宅不足の時代が続きました。当時、2DK、3DKという賃貸住宅は画期的なものでした。日本経済も成熟段階に入り住宅不足は解消され質の競争時代に入りました。しかしながら、昔の公団の間取りと同じようなアパート、賃貸マンションが、いまだに多く存在しています。最近、建てられているものにも大差のないものがあります。
時代は変化している中で旧態依然のものは経営不振ににつながり、時代の変化に対応しているものは人気をはくしています。賃貸市場の競争の中で淘汰されるものと生き残るものとの差は何かを探ってみましょう。

小売業では、かなり以前から「業種」から「業態」へと経営の変化が進んでいます。具体的に言いますと、仕入れルートや売る側、造る側の立場で同種の品揃えをする商売が「業種」であり、消費者の立場でニーズに応えた商売が「業態」です。
たとえば、コンビニは、食品業とかサービス業とか業種では、くくれません。生活必需の最寄品やサービスが何でも揃い、他のお店が閉店している時間でも用の足せる便利な店という「業態」です。つまり買い手の立場に立ったコンセプトを持ったお店の形態になっています。
他の業界も時代とともに業態変化が進んでいます。日曜大工のお店DIYは「自分で作る」がコンセプトです。パーティをコンセプトにした雑貨店もあります。業態は日々進化しています。

賃貸住宅業界は、この「業態」という考え方が遅れています。アパートといえば未だに○○DKとか規格プランとかが、どの立地でもかまわずに横行しています。作る側の論理である「業種」の考え方では、量の時代から質の時代に入った今日では、競争に勝てません。
短期貸しのウイークリーやマンスリー、入居者の個性を満たすデザインマンション、ホテルサービスのあるサービスアパートメント、ペットと暮らすペットマンション、ケアー付きシルバーマンションとそれぞれの新しい形態の賃貸住宅が生まれ人気をはくしています。このようにライフスタイルに応える新しいコンセプトの提案が、求められています。
プラン、デザイン、契約形態、サービスなど差別化したものが必要とされています。つまりアパート業という「業種」観念を捨て、借り手の満足に応えるコンセプトを持った「業態」という観念で賃貸経営を捉えることがビジネスチャンスを生み出すのです。

賃貸経営の競争に打ち勝つ差別化の決め手は入居者のライフスタイルに応えるコンセプトです。音楽好きのための「楽器が弾けるマンション」、共稼ぎのための「託児所付き複合マンション」、防犯に安心な「ハイ・セキュリティマンション」、自然とコミュニティを大切にする「タウンハウス」、海辺に近い「サーファーアパートメント」、・・・・差別化できるコンセプトはいくらでもあります。新しいコンセプトから新しい業態が生まれます。

■ライフスタイルの変化

賃貸経営でのコンセプトとは、ライフスタイルの変化や世の中の変化に応えることです。下記のヒント、キーワードから、これからの時代どんなコンセプトが求められているのか想像してみてください。答は、無限にあります。

●家族形態の多様化

結婚年齢の遅延化
共稼ぎ、少子化
結婚しても子供を持たないディンクス
入籍しない結婚(フランスでは、税法上、不利にならないパックス法が成立)
結婚しないで子供を持つシングルマザー
子連れ同士で再婚するステップファミリー(アメリカでは、10年後50%の予想)

●経済環境の変化

企業の社宅縮小化
終身雇用の崩壊
女性の社会進出増加
能力主義による所得格差
企業業務のアウトソーシング

●社会環境の変化

犯罪の増加、治安の悪化
車保有台数の増加
ファッションの多様化
休暇の増加

●意識志向の変化

健康  スポーツ、健康食品、・・・・・
文化  教育、芸術、芸能、・・・・・・
自然  エコロジー、ガーデニング、緑、・・・・・・

■マンスリーマンション、デザイナーズマンション、サービスアパートメント、etc

ウイークリーやマンスリーはコンドミニアムやパーマネントホテルと同様形態であり、サービスアパートメントは、まさにメードサービスのあるレジデンシャルホテルであり、今や賃貸経営は契約形態やサービスの付加価値からホテルの業態に接近してきているものもあります。
複合施設や複合機能で便利で魅力的なマンションも生まれます。デザインや個性的な空間は、入居者の心を満たします。
世の中から求められているコンセプトを持ったアパートメントは人気をはくしています。最近のトレンドからも、コンセプトの重要性が証明されています。

マンスリー・ウイークリー

短期貸しマンション、礼金敷金なし、家具・生活用品完備
長期出張など、特にIT関連の技術出張など企業の継続需要が多い

●デザイナーズマンション

個性的な空間、おしゃれなマンション、感性に訴えるデザイン
おしゃれに住みたい個性的に住みたい入居者に大人気

●サービスアパートメント

家具付き、フロントサービス、礼金敷金なし
海外からの長期出張で利用され高級ホテル(レジデンシャルホテル)に近い形態

●その他

ケア付きシルバーマンション、単身赴任多機能マンション、ペットマンション、
音楽など愛好家向けマンション、・・・・・・・・

■賃貸住宅市場の展望

高度経済成長時の作りさえすれば、借りる人がいる時代は、すでに終わり、今日では質の競争に入り差別化が必要となっています。豊かな時代には、感性、個性が求められます。新しい形態、機能が求められます。サービスが求められます。質と個性の競争の時代です。
競争に勝ち残るにはコンセプトのある賃貸経営が最重要です。賃貸需要は安定していますので「業態」という観点で賃貸経営を捉えるとビジネスチャンスはたくさん生まれます。

「サービス」「契約形態」「デザイン」「複合施設」「複合機能」をキーワードに考えると新しいコンセプトは無限に広がります。新しいコンセプトは新しく需要を生み出します。コンセプトのある賃貸住宅経営は、ローリスク、ミドルリターンの魅力ある事業です。ニュー・コンセプトアパートメントの提案を賃貸市場は待ち望んでいます。

#002 2003.08.01



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