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PART 2. 賃貸市場動向

、オフィスビルのコンバージョン

■ コンバージョンによる賃貸住宅市場

都心部でオフィスが供給過剰の時代に入り、オフィスの空室対策としてコンバージョン、建築の用途変更によるリニューアルが増えてきました。オフィスから賃貸住宅へと古い中小のオフィスビルが変身しようとしています。
オフィスから賃貸住宅へのコンバージョンは、立地の良いところで始まっています。そして不良債権処理で取得価格は新築より安いコストで低廉です。投資額が低いですから少々低い家賃でも収益が上がります。そして価格競争に強いこれらの物件が、賃貸住宅市場に参入してくるわけです。賃貸住宅市場競争は、ますます激化してきます。

賃貸住宅市場の激化はこれだけの要因ではありません。分譲賃貸と呼ばれている物件も一種のコンバージョンです。自己使用の目的で分譲マンションを購入した方が、賃貸に転用したり中古物件として売却したものが投資家に買われ、それが賃貸となり、あるいは、マンスリーへと変身する。これらの分譲賃貸物件も増加しています。
今や、新築分譲マンションが次から次へとバブル期より低価格で供給されています。おのずと中古マンション価格もそれ以上に安くなっています。これからも分譲賃貸物件は増え続けるでしょう。

■ プロ集団の参入

コンバージョンによるオフィスから賃貸住宅への転用、分譲マンションの自己住宅から賃貸住宅への転用と、それぞれ価格競争に強い物件が賃貸住宅市場へ参入しています。さらに不動産の証券化というスタイルのJリート(J-REIT)による賃貸住宅供給を含めてとらえると従来の賃貸住宅供給と違う側面があります。
従来は、公社、公団などの公営住宅と地主さん中心の民間住宅が賃貸住宅の主な供給源であったものが、ここにきて投資家や投資機関による経営者が新たに出現してきたことです。所有と経営が分離したプロの経営者の出現です。
賃貸住宅市場は、物件供給の増加とプロ集団の新規経営者の参入で市場競争の激化が始まっています。投資家の所有する物件は取得費が非常に低廉です。価格競争では強い力を持ちます。何の変哲も無い無個性な賃貸物件は価格競争では投資家物件に負けてしまいます。

■ 賃貸経営の競争力

このような状況で賃貸住宅市場競争に勝ち残るためにはどうしたらよいのでしょうか。賃料が他より安いという価格のみの差別化では取得費の安いところに勝てません。
市場競争に勝つためには、質の差別化です。建物・設備などハードウエアの質に限らず、ソフトウエアの付加価値です。デザインや付加機能、付加サービスでの質の向上です。以前にも触れましたが、ソフトウエア面から業態変化が起きています。ソフトウエアから付加価値をとらえると、質の向上には無限の可能性が秘められています。既存の賃貸住宅でも新築の賃貸住宅でもソフト面での付加価値アップが賃貸経営の競争力となります。

従来の賃貸経営は、オーナーさんがアパート・賃貸マンションを作り、管理会社が管理するというスタイルで通用してきました。従来のスタイルには、経営という要素が希薄でした。今やプロの経営集団との競争です。
これからは、オーナーさんは、賃貸住宅を管理するという姿勢から賃貸住宅を運営するという姿勢が必要です。管理する守りだけでは値崩れするだけです。運営する攻めの姿勢です。具体的なソフトウエアの付加価値アップについては、改めてお話します。

#013 2003.08.01



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