Topics
Seminar

PART 3. 賃貸経営改善

貸地・借地の整理「不良資産からの開放!」

旧法の借地法に該当する貸地は、地主さんにとっては、収益効率の悪い不良資産となっています。第三者に売却しようとしても、まともな価格で売れるものではありません。この不良資産を価値あるものにするための整理方法について説明します。

不良資産の優良資産変換
.交換により底地権を完全な所有権の更地に変換する方法
2.相続税の物納として活用する方法
3.借地権を買い取って所有権に変える方法
4.売却して現金化or買い替えにより優良資産に変える方法
5.特殊なケース

新たな資産価値に甦る

1.交換による完全所有権への変換

借地権と底地権の交換は不良資産を優良資産に変える方法として効率がよく合理的で一番のお奨めです。
この交換では、借地権割合に応じて借地人は、借地権の一部を貸主に返還して、それに見合った底地権を得て、賃貸借関係は、終了され、お互いに完全な所有権となります。
貸主にとっては、自由に使用したり処分したりできる完全な所有権としての土地が戻り、借地人にとっても建て替えるにしても承諾が不要になり、自由に売却もできる財産になり、お互いのメリットとなります。不良資産が優良資産へと生まれ変わります。
借地権割合は、相続税の路線価に借地権割合の評価がされていますので参考になります。私の経験では、路線価の権利割合より地主さんが有利な割合で折り合いがつくことが多いです。

条件を満たせば、税法上の「交換の特例」により譲渡所得税が免税となります。(不動産取得税は、かかります。)
交換の特例の適用要件(1)固定資産であること(2)同種の資産であること(3)1年以上所有していたもの(4)1年以上の所有かつ交換のため取得したものでないこと(5)交換直前の用途と同じ用途に使用すること(6)交換差金は20%以内(交換差金は、所得税の課税対象になります。)

2.相続税の物納による資産価値回復

貸地の底地権を現金化するには、限られた方法しかありません。貸地は収益性からみると非常に価値の低い財産です。最近ではバブル期のように土地の時価と路線価との価値が、大幅に違うわけではありません。物納はその不良資産価値を本来の価値で引き取ってくれる処分方法です。物納で相続税の支払いに充てることは実に価値あることです。

3.買戻しによる不良資産からの脱却

借地人が借地権を売却したいと言ってくることがあります。第三者に売れば地主の承諾料がかかる上、正当な価値より若干、低めの価格になりがちです。地主が買い取ることになれば承諾料分差し引いた価格でも借地人には、損がでません。意外と安く買い戻せることがあります。
借地権を買い戻すことも不良資産からの脱却になります。完全な所有権になればいつでも売却して現金化できるし、活用して相続対策の賃貸アパートやマンションも作ることもできます。あるいは、遺産分割もしやすくなります。
この方法で次から次へと借地権を買い戻し、そこに賃貸建物を建て、収益を大幅に改善している地主さんがおります。収益が収益を生み、資産が年々増加しています。

4.売却処分による現金化or買い替えによる優良資産変換

底地の売却処分は、こちらの都合通りにはいきません。借地人に買いとってもらうしかありません。譲渡所得税もかかりますので最後の手段です。
価格の決まり方としては、売り手であるこちらが先に買ってほしいと言えば価格は安くなります。借地人の方から売ってほしいと言ってくれば価格は高くなります。
事業用資産の買い替えの特例条件を満たす場合には、譲渡所得税がかからずに底地を売却して収益効率の良い資産に買い替えることができます。賃貸向きの立地の土地を取得して賃貸建物を建設し、収益をあげる資産に変えることができます。効率の悪い地代収入より、はるかに良い収益を期待できます。

5.特殊なケース

借地人をたくさん抱えている地主さんにとっては、昨今の不景気で借地人の方が事業の失敗で借地権が競売にかけられることがあります。この場合、裁判所から地主さんあてに通知がきます。競売を待って、名義変更の承諾料を請求することもできますが、借地権の場合、時価よりもかなり安く落札できることがありますので地主さんが競売に参加することも一つの方法です。落札すれば、完全な所有権になります。
(競売の場合、建物に占有者がいることがあります。)

※あとがき

地主さんにとって借地権を認めることは、心情的には不本意で納得しにくいことかもしれませんんが、割り切らないと不良資産は永遠に改善されません。借地借家法の新法が成立しても従来の旧法が存続することになった以上、従来の借地権もずっと存続します。
早く、気持ちを割り切って優良資産に変換する決意をして、行動に出てみては、いかがでしょうか。交換、買戻し、売却、これらの方法を組み合わせて実行すれば効率の良い資産に変換して資産価値を高め、資産を増やすこともできます。

#006 2003.12.01


アークプラン賃貸経営講座  index
Part 1. 賃貸住宅経営
Part 2. 賃貸市場動向
Part 3. 賃貸経営改善

 
相続対策
 「資産を活かす・増やす・守る」

 WEB時代の入居者募集
 「募集広告に満足?」
 建築デザイン
 「収益を生む建築デザイン」











 
賃貸市場ニーズ
 
「市場が求める賃貸経営とは」
 
賃貸経営の潮流
 「マンスリー供給過剰?」
 
オフィスのコンバージョン
 「賃貸住宅への変身」

 
サービスアパートメント
 「付加価値のヒント」





 
収益改善で甦る
 
「賃貸経営改善策」
 
貸地整理、5つの手法
 
「優良資産変換」
 
定期借家制度の活用
 「時代に合った契約形態」
 入居率アップの改善策
 「簡単にできるリニューアル」




連載:賃貸経営講座      <<< BACK  MENU  NEXT >>>

Web seminar ARC-PLAN for rent